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リコーCX1と富士フィルム FinePix F200EXRでやはり気になるのはダイナミックレンジ拡張に関してですので、今回これの検証です。<F200EXRのDR拡張機能検証>は前にもやっていますのでそちらを見てください。ここでその時に用いた、マニュアル露出でEV値を一致させて大きく白飛びさせる方法は、マニュアル露出モードのあるF200EXRでは可能ですが、CX1では無理です。 ということでどうやって比較するか少し悩みましたが、AEロックの応用で白飛びさせることは可能ですので、多少正確性は落ちますが今回この手法で検証してみました。具体的には、まずNDフィルタを用いた状態で半押しAEロックをかけて、そこからNDフィルタを取り除くことでNDフィルタの分露出を大幅にオーバー気味にします。 なお、DR拡張するとCX1では記録されるEXIF値が当てになりませんので、各機種の標準露出を0EVとしてそこからの露出補正値で比較しています。EV値を一致させている前の方法と異なり多少不正確ですが、そんなに大きくずれていないはずです。 晴天で露出は安定していましたし、後で述べるシャッター速度限界問題に関しても、シャッター速度的には足りていますので補正が頭打ちになっていることはないと思います(この方法ですとシャッター速度は露出プラス補正するほど落ちていきます) 実際に試してみたところ、CX1とF200EXRのダイナミックレンジ拡張は効果としては似たような感じで、どちらも最大効果ですと+4EV程度露出オーバーでも飛ばないことが分かります。 F200EXRの方ではDR拡張が100%〜800%と表現されているので+3EVまで拡張していることが分かりますが、DR拡張効果を微弱〜強で表現しているCX1の方はどれだけDR拡張しているのか分かりません。ただこれで検証した限りでは1EV毎の差になる(撮影時は1/3EV毎に撮影してチェックしています)ので、微弱が+1EV、弱が+2EV、中が+3EV、強が+4EVでスペック的にはCX1は+4EV拡張だと予想できます。よく12EVを実現と宣伝されていますが、標準でのJPEGが8EV幅ですので、ここから4EV拡張で全体で12EVという考えなのでしょう。 ただ比べてみると、DR微弱でもDRを使わない状態と大差ありませんし、通常状態でも従来より+1EVを実現しているという話があったので、CX1でも実際は+3EV拡張だと思われます。実際に両機で撮り比べてみるとF200EXRと大差ないかCX1の方が飛びやすい感じです。といっても、<露出+3EVでは一眼レフのRAWで撮影しても白飛びする>ので、どちらの機種も白飛びに関してコンパクトカメラとしては画期的です。 ここで実際の絵では色の出方などで差があります。CX1の方がハイライト側の色を正確に保つ感じですが、F200EXRはハイライト側がシアンに転んでいきます。ただこれはホワイトバランスの問題が大きく、マニュアルでホワイトバランス設定してからですとこのシアン転びは修正できます。 また、CX1側の問題点は、色の連続性が中間域で悪いこと、撮影にタイムラグがあることによる2線ブレ、あとはNDフィルタを内蔵しておらず機械式シャッターを採用していることによるシャッター速度上限の問題です。 ・ 作例その1 F200EXR, DR800%, ISO200, F9, 1/480秒, 換算28mm CX1, DR強, -1EV露出補正, ISO80, F5, 1/380秒, 換算28mm この例で分かりますが、ホワイトバランスとしてはCX1の方が良さそうですが、DR拡張時ハイライト側中間域での色のつながりが変になっています。これはDR強度を落としても生じます。F200EXRのDR800%でもハイライトぎりぎりで黄色に転ぶというのはあるのですが、CX1よりは自然です。 また、CX1側-1EV露出補正、F200EXR側は露出補正無しにも関わらず、実際のEV値ではF200EXRの方が3EV以上アンダーな露出となっており、結果CX1の方が激しく飛んでいます(露出としてはCX1の方が正解でF200EXRは勝手にアンダーにしすぎです)。これはハイライトが飛びそうだと自動的に露出アンダーになるF200EXRの露出傾向のためで、DR拡張しないでもF200EXRの方が白飛びし難い傾向です。ただしこのためにアンダー目の絵になることが多いです(ちなみに露出をパターン測光でなくて平均測光にしてもこうなります) またDR拡張を期待するはずの大逆光では、DR拡張とは別のシャッター速度限界の問題が生じます。 ・ 作例その2 F200EXR, DR800%, ISO200, F9, 1/500秒, 換算28mm CX1, DR拡張無し, -1EV露出補正, ISO80, F5, 1/2000秒, 換算28mm この例はより明るい場合の例で、CX1ではDR強でも撮影しましたが、DR拡張した方が低速シャッターになりより大きく飛んでいたので、2枚撮りの方での通常撮影の方です。CX1でもF200EXRでも明るすぎて高速側のシャッター速度限界に達しています。絞りも最大ですのでこれ以上アンダーにできません。 なお<前にも書きました>が、F200EXRの方はDR拡張するとシャッター速度上限が低下してきます。通常ですと1/1500秒が限界ですが、DR200%にすると1/1000秒が限界となり、DR400%もしくはDR800%に設定すると1/500秒が限界です。DR800%にするとこれに加えてISOが200に制限されISO100にできないという制限も加わります。このことから分かるのは、F200EXRの場合、実際の露出よりDR拡張する分、早いシャッター速度を切っているためにこの制限が生じるのではないかということです。 CX1の方はこのようなDR拡張による制限は生じませんが、絞りを絞っても広角側ではF5までという絞り側の制約があり、これが問題となります。おそらくNDフィルタでなくて機械絞りなために、あまり絞りすぎると例の<回折ボケの問題>が生じるのでこの程度に抑えてあるのでしょうが、ISO80でF5, シャッター速度限界が1/2000秒ですと限界EV値は15で、晴天でのハイライトですと楽にこれを超えてしまいます。CX1のDR拡張はここからさらに低速なシャッターで撮影して合成する方式なので、DR拡張で撮っても白飛びはまったく改善されません。 それに対して、ISO200, F9, 1/500秒が限界となるF200EXRでのDR800%では限界EV値が16ですが、実際はここからさらに2段近く早いシャッター速度を用いますので、限界EV値は18でこれだけあればほとんどのケースで白飛びしません。F200EXRの方は露出調節に機械的な絞りではなくNDフィルタを用いているために広角側でもF9まで絞れるためにこれが効いてくるようです。上の作例2ではそのためにF200EXRの方が大幅に白飛びしないという結果になっています。CX1の方で-2EVアンダーに露出補正したとしてもシャッター速度をこれ以上早くできませんので結果は変わりません。 またどちら方向にDR拡張するのかというのにも違いがあります。上で書いたようにF200EXRの場合、標準露出から最大3EV露出補正した結果(シャッター速度では約2段高速)から合成しているようで、DR拡張すると上で書いた露出傾向もあり、どちらかというと逆光時にアンダー気味でハイライト側を飛ばさない傾向です。 それに対して、CX1でDR拡張して2枚撮りすると分かりますが、DR拡張する方が明るい露出になり、通常撮りと比べるとハイライトが飛ばないというより、ノイズが増えない暗部補正として動作していることが多いです。ハイライトを飛ばさない目的であればCX1の場合、撮影時にDR拡張以外に露出補正でアンダー目にする方が良いようです。また上で書いたようにシャッター速度限界の問題もあるので、外付けのNDフィルタを用いた方が良いでしょう。 また作例1を等倍で見れば分かりますが、限界シャッター速度に近い明るいシーンでも、微妙にずれた2線状態の絵になっていることがわかります(手持ちです)。おそらく連射速度から推測して1/30秒程度のずれが生じると想像しますので、CX1ではDR拡張した場合、どんな明るいシーンでも手ぶれに気を付けて撮る必要があるようです。できれば三脚を用いるべきですが、そこまで来ると初めから多重露出して後からHDR合成した方が早い気もします。 と、やはりF200EXRの方がDR拡張に関しては手慣れている感じがありますが、絵そのものはCX1の方が個人的には好きです。F200EXRではDR拡張をDR400%までであれば、自動でかけることも可能で、特に手ぶれに気を使うこともありませんので、お任せで撮るのであればF200EXRの方が失敗が少ないと思いますが、動作や特徴を把握して使えば、その全体的な使い勝手の良さからCX1も悪くありません。DR拡張周りはまだこなれていないようですので、将来の機種ではより良くなることを期待します。 |
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